トレイルを歩く

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    北海道東トレイルは全長400kmを超えるロングトレイルです。それぞれの目的に応じて様々な歩き方が楽しめます。
    全てのトレイルを通して歩くスルーハイク、区切りながらトレイルを歩くセクションハイクなど、楽しみ方はそれぞれです。南の釧路市からスタートし、湿原、酪農、カルデラ、畑作、海の5つのエリアを通り抜け、羅臼町へと続く北上ルート。北の羅臼町からスタートし、釧路市へと続く南下ルート。どちらから歩いてもそれぞれの地域の特徴を感じられます。
    そして、トレイルの中間地点には北海道東トレイル川湯オフィスがあります。ハイキングをする際は、情報収集にぜひお立ち寄りください。

    歩く前に

    ひがし北海道では、厳しい自然環境の中に野生動物や人間の営みがあります。北海道東トレイルでは、その自然や人々の暮らしに触れながらハイキングを楽しんでいただけます。一方で、野生動物との遭遇や天気の急変などのリスクへの備えとその対処、地域の人々への配慮などは必須です。また、ロングトレイルを歩くハイキングは、安全管理は自己責任が基本です。事前に情報を十分に収集し、しっかりと計画を立ててから歩きましょう。ここでは、北海道東トレイルを歩く際に注意していただきたいことについて紹介いたします。

    3つの国立公園をつなぐ
    ヒグマについて

    ヒグマについて

    北海道には様々な野生動物が生息しています。その中には、日本最大の陸上動物であるヒグマがいます。ヒグマはどこにでもいるということを常に念頭に置きながら、まずはヒグマに出会わない対策を行いましょう。

    • 食べ物・ゴミは持ち帰りましょう
    • 見通しの悪いところでは音を出しましょう
    • もし出会ってしまったら静かに距離を取りましょう

    詳しくは下記のサイトへ

    ヒグマ出没状況マップ

    必ず最新情報を確認!
    あなたの歩くエリアごとに、ヒグマに関する注意情報が更新されています。常に最新情報を確認しながら歩きましょう。

    ヒグマについて

    キャンプ(宿泊)について

    北海道東トレイルでのキャンプは、ヒグマ対策が必要です。
    必ず考えるべきことが2つあり、ひとつは、あなたの安全のためにもうひとつは、あなた以外の人々の安全のために重要です。

    ヒグマ生息地でのキャンプについて

    *キャンプする場所の管理者の方の承諾を必ずとってください。

    食べ物の匂いで、ヒグマを引き寄せないようにしましょう。
    ヒグマは匂いに敏感です。遠く離れた場所からでも匂いを嗅ぎ分けると言われています。

    食べ物とゴミを管理し、決して残さないようにしてください。
    ヒグマは今のところ、人間の食べ物や人間自体を食糧だと認識していません。しかし、人間の食べ物を食べてしまった場合、そのヒグマは人間を襲う危険なクマになる可能性があります。
    野生動物は「安全」と「食糧」に常に集中しています。
    突発的な遭遇でない限り、危険でもなく食糧でもない人間を、ヒグマが積極的に襲う理由はありません。

    ところが、誰かが残した残飯やゴミを、ヒグマが偶然食べてしまった場合、
    その残飯には人間の匂いがついており「人間の匂い=食べ物かもしれない」とヒグマが学習することになります。

    ヒグマが人間を食糧と関連づけてしまうと、そのクマはとても危険です。
    クマは大きな動物ですから、その体を維持するために、食べられると認識したものに繰り返し執着する行動をとります。
    これらは、野生動物が生きるための自然な行動の一部ですが、人間社会にとっては「危険なクマ」となってしまいます。周辺の住民生活を脅かし、そのクマは殺さなければならなくなります。残念ながらトレイルも閉鎖されるかもしれません。

    食べ物やゴミを管理するという基本的なことが、実は野生動物と折り合いをつけて暮らすための、唯一有効で、最も重要な方法なのです。私たち、ヒグマと隣り合って暮らす住民も、日常的にゴミの出し方など、大変気を遣って暮らしています。

    この素晴らしい自然と、そこに暮らすすべての生き物に敬意を払うのであれば、あなたのすべきことは、食べ物・ゴミをしっかりと管理することだとご理解ください。

    [ 具体的な方法 ]

    1)自分で全てに対応する自己完結型

    • ベアキャニスター(フードコンテナ)
      1. ・クマが開けられない、壊せないよう開発された食料保管容器です。大きく嵩張り、バックパックへ取り付けるには工夫が必要ですが、現実的には、これが唯一の選択肢です。
      2. ・かつては、食料をクマの登れない木に吊り下げる手法も推奨されてきましたが、現在は推奨されていません。クマが登れない木を選定するなど、一定の技術が必要なため、失敗例が多かったそうです。

    2)キャンプ方法

    • 自分が眠っているところが、周辺で一番食べ物の匂いがする、という状況を避けることができます。
      1. ・食べ物やゴミは、ベアキャニスターに入れて、テントから離れた場所に置く
      2. ・調理は可能な限りテント内ではなく、離れた場所で行う。
    • 泊食分離(泊まるところでは調理しない)
      1. ・北米の長大なトレイルを歩くハイカーは、食事を宿泊地で取らない、ということでリスクを避けているそうです。例えば、朝起きたらお茶だけ飲んですぐに出発。しばらく歩いたところでお湯を沸かし食事をとる。夕食も同様に、歩いている途中で火を起こし食事。食事後にしばらく歩いてからキャンプをはる。もちろん食事のゴミも全て管理します。

    3)施設を利用してキャンプ

    • ヒグマ対策設備があるキャンプ場・施設を利用する
      1. ・知床野営場
      2. ・多和平
      3. ・銀嶺水
      4. ・愛山荘

    4)キャンプは避け、宿泊施設を利用する

    • 上記のような準備ができないのであれば、野営は避け宿泊施設を利用することを、強くお勧めします。交通機関や、タクシーなどで近隣の宿泊施設へ移動し宿泊、翌朝またハイキングを再会するという手段を検討してください。

    上記の準備ができないのであれば、キャンプはせず、宿泊施設を利用することを強くお勧めします。 交通機関やタクシーなどで近隣の宿泊施設へ移動し宿泊。翌朝またハイキングを再開するという手段を検討してください。

    ヒグマについて

    畑作エリアの歩行について

    北海道東トレイルは、壮大な山や川、湖だけでなく、酪農・畑作地帯も通過します。牧草地や畑へは入らないようにしてください。 人が畑に入ることで、足についた病害虫も侵入し、農作物に甚大な被害をもたらすことがあります。その代表例として、ジャガイモシストセンチュウが挙げられます。ジャガイモシストセンチュウは土の中に存在する害虫で、ジャガイモの根から養分を吸収し、収穫量を減少させてしまいます。一度畑に侵入してしまうと、根絶させるためには7年以上様々な防除対策が必要で、ジャガイモ生産農家にとっては、大きな問題となります。 みなさんが楽しんでいるおいしい食べ物と、この雄大な風景と作ってくれている農家さんに敬意を示し、どうか畑には入らないでください。

    ヒグマについて

    道路情報について

    北北海道東トレイルでは、トレイル全線の約7割が車両が通行可能な一般道を通ります。一般道を歩く際は、道路交通法に従い、十分注意して歩行してください。特に、交通量の多い国道や道道では、交通事故に遭遇しないよう細心の注意が必要です。

    • 歩道がある道路では、歩道を歩きましょう
    • 歩道のない道路では、「対面通行」に基づき、歩きましょう
    • 道路を横断する際は、横断歩道を渡りましょう

    詳しくは下記のサイトへ

    ヒグマについて

    気候について

    南北約350kmを縦断する北海道東トレイル上では、エリアによって気候が大きく異なります。以下のリンクでは、南の釧路市、中間の弟子屈町、北の羅臼町の年間の気温についてまとめています。また、山間部では天気の急変や積雪など厳しい気象状況となることがあります。歩く際は、事前に歩く場所の気象状況についても必ず確認してください。

    ひがし北海道の気候

    北海道東トレイルが通るひがし北海道(道東)は南北約350kmの距離があり、
    知床から阿寒にかけて千島火山帯による山々が連なっていることから、エリアによって気候が異なります。
    ここでは、南の釧路市、中間の弟子屈町、北の羅臼町の3つの地点の平均気温について紹介いたします。

    釧路市の平均気温 画像拡大
    弟子屈町の平均気温 画像拡大
    羅臼町の平均気温 画像拡大

    冬季間の歩行について

    ひがし北海道は、特に冬季間(11月〜4月)においては、積雪や強風、
    それに伴う地吹雪、低温など非常に厳しい気候となるため、冬季間の歩行は推奨しておりません。
    道路状況につきましては以下のリンクよりご確認ください。